野菜や果物をモチーフにおいしい農園のロゴ作成

ロゴ22

最近の農業は機械化が進み生産性の向上はもちろん、品種改良や味覚の良さなど、市場へ向けた積極的な動きが見られるようになりました。なかでも若い経営者も多い農園の動きはより活発で、意識の高さを感じます。こうした農園では、商品や農園のロゴもセンスがあり、スーパーなどで頻繁に見かけます。

農園のロゴについて、デザイナー視線で見ていくことにしましょう。

一口に農園といっても多種多様です。農園とは、農場の中でも野菜、果物、花などを栽培する所で、リンゴ農園、みかん農園、いちご農園といった特定の品種にこだわった生産所です。比較的若い経営者も多く、流通も農協ではなく、直接スーパーやレストランなどと契約していることが珍しくありません。

また、生産性を上げるため機械化を図ったり、より美味しい品種を求めてブランド開発にも力をいれたりと、まるで食品メーカーのごとく経営する農園も増えてきています。こうした農園ではロゴも感性の高いものが多く、ロゴを見ただけで美味しいものをつくっているような気にさせてくれます。

現在多く採用されているのは、農園が生産している野菜や果物をモチーフにしてシンボルマークを作成し、ロゴタイプを組み合わせるといったデザインです。野菜や果物はモチーフとしてはシンボル化しやすいこともあり、多くの農園が採用しているスタイルだと思われます。

一般企業では早くからロゴに対する考えが戦略的で、会社や商品のロゴはその存在を覚えてもらう、あるいは良いイメージを持ってもらうツールとして位置づけています。かっこいいロゴだ!と思われれば、それが商品や会社のイメージとして記憶されると知っているからです。

ロゴとは、商品や企業の顔です。農園においても企業と同様に、人の記憶に残るようなロゴをつくり、社会にアピールしていくことが重要です。また、ロゴを制作したら、ホームページやパッケージはもちろん、イベントや印刷物、のぼりなど、あらゆる媒体に採用して積極的な周知を行うことが大切です。

若い経営者の多くがウエブサイトを積極的に活用しており、ロゴの活用をより推進していくものと考えられます。

ロゴはデザイナーが作成するのが一般的ですが、デザイナーは何の情報もなしにつくることはしない傾向があります。重要なのはデザインを考えるうえでヒントとなる情報の収集です。では、どのような情報を集めるとよいのでしょうか。

ロゴ制作の目的は何かを探る農園の担当者と打ち合わせを行う際、最初に聞いておくことは何のためにロゴをつくるのかということです。新しいブランドができたから、農園を始めるから、今のロゴが気に入らないから、などと様々な意見が出てくるはずです。

これがいわゆるロゴ開発の出発点となり、目的が定まります。

新しいブランドを覚えてもらうためのロゴ、新しい農園を知ってもらうためのロゴ、などと目的があることを意識して制作することが重要です。誰に向けてのロゴなのかロゴを見てほしい人は誰なのか。最も見てほしい人から、できれば見てほしいまで何タイプか列挙します。

例えば、スーパーの顧客、レストランの顧客、店長、バイヤーなどと、ロゴのターゲットを把握します。その中で、メインターゲットとなる人については、高級住宅地に住んで、昼間はスポーツクラブに通い、夜は音楽を聴きながらワインをたしなむ、といった具体的な人物像を描くことも大切です。

ロゴ制作のイメージが膨らみ、優雅、エレガント、スポーティなどの方向性が見えてくるからです。農園の理念、歴史、カラーなど広範囲に調べるその農園がどんな農園なのか、ヒアリングや資料を見て多角的に理解することが大切です。

農園の理念、思い、歴史、コンセプト、カラー、さらには大事にしているモノやコト、他社より勝っていることなど、様々な情報を聞き出すことで、ロゴデザインのヒントとして活用することができます。担当者がイメージしているロゴはあるか

もし農園の担当者がイメージしているロゴがあれば教えてもらいましょう。

また言葉として、力強い、斬新、未来などのキーワードも聞いておくとよいでしょう。なかには、ゴシック書体で力強い印象に、などと具体的に伝えてくることもあります。これらはすべて、デザインのインスピレーションに役立ちますので、できるだけヒアリングするようにします。

イメージが浮かんだら、その場でノートに描いて担当者に見てもらうと、今後の進行がスムーズに行くでしょう。

エレガントな雰囲気を重視したロゴ作成のポイント

5つのタイプでロゴを考えるロゴの代表的な種類として、次の5つのタイプがあります。1シンボル:シンボルやアイコンだけを使ったロゴ。2ワードマーク:名前を特別なフォントで表したロゴ。3レターマーク:名前のイニシャルや頭文字を使ってシンボルやアイコンにしたロゴ

4コンビネーション:シンボルとワードマークを組み合わせたロゴ。5エンブレム:内部に学校名が入った紋章のようなロゴ。ロゴを多く手がけるデザイナーはフォントを使う技術に長けており、ワードマークやレターマークで基本にコンビネーション案をつくるなど、得意とする方法を持っています。

インスピレーションで描いたイメージを手早く画像にして、シンボルや文字を組み合わせる。一つ完成したら、色や形を変えてバリエーションを持たせていく。そのようにして数多くの試作品をつくって、最終的に絞り込んでいくという方法がよく用いられています。

カラーリング(色使い)

ロゴに色を使う場合、あまり多く使わないほうがよいでしょう。できれば3色以内に抑え、見た目にうるさくならないようにします。指定のカラーがあれば、それを使ってアクセントにもう1色加えてみる、などの工夫もできるでしょう。

モックアップとは完成したロゴを実際に使うものに当てはめて、完成イメージがしやすいようにすることです。通常はロゴを印刷した白い紙やボードでプレゼンテーションを行いますが、これだと実際に当てはめたとき、サイズが小さいとか、思っていたよりも目立たない、イメージが違うなどの違和感を覚える可能性があります。

もともとモックアップは模型という意味を持ち、工業製品などの分野で使われていました。中身がなく外観は本物そっくりの模型は、完成品のイメージが強く評価がしやすいというメリットがあります。最近は携帯電話ショップに新製品のモックアップが飾ってあるのをよく見かけます。

実際に使えなくても、これで販売につながることもあります。農園では看板やのぼり、商品パッケージなどのサンプルが考えられます。

模倣したようなロゴをつくらないロゴ制作でありがちなのが模倣でしょう。気に入ったロゴを少しアレンジして使ったり、色を変えただけだったりと、クレームになる可能性があるようなことはしないことです。著作権ぎりぎりOKといったものは、その時は気づかれなくても、いつか必ずバレるものです。

プロのデザイナーでも時々見かけますが、一度やってしまうと二度と仕事の依頼が来なくなる可能性があります。また、故意に真似たのではなく、偶然似てしまったということもあります。それを避けるためには、完成後は似たようなものがないか、インターネットなどで調べておくとよいでしょう。

流行を意識し過ぎないことロゴにも流行というものがあります。フォントや色、マークの配置など、細かな部分でよく見られます。しかし、流行を追い過ぎるとオリジナリティから遠ざかることが考えられます。どこかで見たようなロゴだと思われれば、採用されないかもしれません。

やはり魅力を感じるのは、どこにもないロゴということです。目的を意識して完成後にも確認本サイトの最初にも触れましたが、ロゴの目的やコンセプトを常に意識してデザインすることが重要です。思うようにイメージが出てこない場合、他社のデザインに触発されてまったく異なる方向のデザインを制作してしまうことがあります。

途中で目的を忘れてしまうことが原因だといえます。そうならないためには、作業の前後に目的を確認しておくことです。作業デスクの目につきやすい所に、目標やコンセプトを書いた用紙を貼って、常に見えるようにするとよいでしょう。

農園のロゴ作成は、扱う商品が野菜や果物であることから楽しくできるというデザイナーも少なくありません。ただ、生産物の色や形に影響されて似たようなロゴになりがちです。どこまでオリジナリティを出して、いかに斬新なものができるか、デザイナーの腕の見せ所でもあると考え、楽しくデザインすることを心がけましょう。